英語力を身につけ、ラグビー日本代表S&Cコーチに選抜された卒業生も。世界で活躍できるアスリートの育成を目指す
- #英語コーチング
(立命館大学 スポーツ強化オフィス 古澤様)
導入前の課題・背景
- 将来世界で活躍できるアスリートを育成したいと考える中で、これまで学生の英語学習を支援する施策を実施できていなかった。
- 身体能力としては劣っていないにも関わらず、語学力が障壁となり海外のセレクションで選ばれないという卒業生の話を聞くこともあり、英語力を早いうちに身につける重要性を感じていた。
導入の決め手・継続理由
- マンツーマンのコーチングを通して、効率の良い学習を最大化するというコンセプトに納得感があった。
- 以前立命館大学職員が受講し、Versantスコアが平均10.5点向上した。(※1,2)
※1)VERSANTとは、教育サービス会社Pearson PLCが運営する英語力診断テスト。一般的に、1ヶ月の留学で1点伸びると言われている。
※2)2021年、プログリットのビジネス英会話コース3ヶ月プランを法人契約にてご受講いただいた立命館大学職員様の実績データ(n=10)
導入による成果
- 平均学習時間 2.4時間/日(※)
- 参加者が、プログラムで英語力に自信がついたことがきっかけとなり、ラグビー日本代表S&Cコーチ(ストレングス&コンディショニングコーチ)の選抜に挑戦し選抜された。
- コーチングを通して、単に英語力を伸ばすのではなく、自分のキャリアにおいて何を目指すのかや、その道筋を考えるきっかけになった。
(※ 2023年12月~プログリットのビジネス英会話コース3ヶ月プランを法人契約にてご受講いただいたRitsumeikan-Global Athlete Program2期生3名の実績データ(n=3))
立命館大学様では、学生アスリートの英語力向上と世界最高峰のスポーツ教育を体験する「Ritsumeikan-Global Athlete Program」を2022年より開始しています。本取り組みは、世界での活躍を目指す学生アスリートを選抜し、英語コーチング「プログリット」での集中的な英語学習と海外への短期留学を行うプログラムで、現在2期生まで実施しています。
今回は、プログラムを主導する立命館大学スポーツ強化オフィスの古澤様に、世界で活躍できるアスリート人材についてや、本プログラムについてお話をお伺いしました。
単に競技能力が高いだけでは、世界で活躍できない
古澤様の現在の担当業務を教えてください。
古澤様:立命館大学のスポーツ強化オフィスで、スポーツアドミニストレーターとして、大学のスポーツ施策全般の立案・実行を担当しています。主たる業務は体育会の学生支援です。特に最近は、アシックスジャパンさん、大塚製薬さん、プロバスケットボールチームの滋賀レイクスさん等と連携し、地域が元気になって学生の学びのフィールドも広がるような、スポーツによる新たな価値共創の推進にも力を入れております。
「Ritsumeikan-Global Athlete Program」も、そういった取り組みの中で生まれたプログラムかと思いますが、こちらの内容について教えてください。
古澤様:Ritsumeikan-Global Athlete Programは、アシックスジャパンさん、プログリットさんと立命館で連携し、「世界を舞台に活躍し、将来の日本スポーツ界を担う人材を育成する」という目的のもと始まったプログラムです。
プログラムに選抜された学生は、プログリットの英語コーチングサービスで3ヶ月間英語学習を実施し、その後米国フロリダ州にある国際的なエリートスポーツアカデミーであるIMGアカデミーに短期留学をします。
立命館様は、アメフトやホッケーなどで日本有数の強豪校であり、その他の競技においても日本を代表する選手を多数輩出していらっしゃるかと思いますが、競技能力だけでなく、英語力の育成にも取り組んでおられるのはなぜでしょうか?
古澤様:大学として、世界で活躍できるアスリートを育成したいと考える中で、単に競技能力が高いだけでは不十分だと思っているからです。
世界を舞台に活躍する人材となる上では、自分の言葉で海外のアスリート・スポーツ指導者としっかりとコミュニケーションを取り、直接的なコミュニケーションのなかで多くの学び・知見を得て成長し続けることが大事だと考えます。
急カーブの成長曲線を描くため、英語力は大変重要だと考えています。英語ができずうまくコミュニケーションが取れないことで、身体能力としては劣っていないにも関わらず、海外のセレクションで選ばれないという卒業生の話を聞くこともあり、英語力を早いうちに身につけてほしいという思いがありました。
長期目線でキャリアを考えて、今英語学習する重要性を感じてもらいたい
プログラム内容選定の決め手は何でしたでしょうか?
古澤様:まずIMGアカデミーについてですが、こちらは単にスポーツを教えている機関ではありません。学業とスポーツの両立はもちろん、スポーツに臨む姿勢、たとえば試合に出れなかったとしても自分なりにチームの中での役割を考えて全うする重要性など、スポーツを通じて人生の可能性を広げるということに重きを置いています。
IMGアカデミーのコーチとの話の中で印象的だったことがありました。「日本でスポーツのロールモデルといえば誰か」と聞かれ、私は「大谷翔平選手だ」と回答しました。その時コーチは、「彼はロールモデルではなく、ユニコーンだ。本当に生徒のロールモデルになれるのは、私たちであり、君たち。情熱を持って仕事をしている姿を見せる大人だ。IMGアカデミーでの時間で、競技にとどまらず、情熱を持ち活躍できる多様な人生のキャリアが待っていることを肌で感じてもらいたい」と話してくれました。今後の学生の人生を考えた時、アスリートとして人生を切り開くスタンスを学べるところに魅力を感じました。
プログリットを選んでいただいた理由は何でしたでしょうか?
古澤様:プログリットは、実は以前に立命館の職員が受講していました。立命館はSGUプログラム(※)の採択校ということもあり、職員が目指すべき英語力を定めており、指標としてTOEICスコアを目標に置いています。
職員の英語力向上をサポートいただく中で、自分の現在地を知り、適切な目標設定をし、合理的に学習することで最短経路で英語力を上げる、というプログリットのやり方は、アスリートとの親和性が非常に高いと感じていました。
また、自分自身も受講したのですが、担当のコンサルタントの方が、受講者が何を目指しているのか、その目標に行き着くためには何が必要なのかのプロセスを真剣に考える姿勢は、学生支援のあり方を考える貴重な機会にもなりました。プログリットのコンサルタントの方のサポートを通して、学生を本当の意味で支援するということは、丁寧なコミュニケーションを重ねた上で、それぞれの想い・自発性を引き出すところからスタートするように感じています。
プログリットは、コンサルタントの方の伴走により、学生たちのモチベーションを高め続け、課題を明確にした上で、最適な学習計画を組んでいただけるということで、学生アスリートを対象とする今回のプログラムにも合っているだろうと思いました。
(※SGUプログラムとは、徹底した国際化に取り組む大学を重点支援する国の支援事業)
当該プログラムには、どういった学生がご応募してくださっているのでしょうか。
古澤様:私たちが想定していた以上に多様な層からの応募が多い印象です。当初は、競技能力が高い学生からの応募が多いのではないかと思っていました。しかし実際は、筋力トレーニングを指導するS&C(ストレングス&コンディショニングコーチ)の学生が応募してくれたり、英語を使って将来スポーツ指導をしたい、競技選手として殻を破りたい、大きくステップアップしたい、といった学生からの応募が多くあり、これは意外だったとともに、大変嬉しく思っています。
今後は立命館を代表する強豪クラブであるアメフト、ホッケーといった部活からも、もっと応募者が増えてほしいと思っていますが、現状なかなか難しい事情もあります。例えばアメフトだと、プログラムの実施時期はシーズン真っ只中で、当然シーズンで勝つことを1番に考えています。そんな中で毎日3時間の英語学習をやってもらうとなると、興味はあるがチャレンジする一歩を踏み出せないという学生は多いと思っています。ここについては、短いスパンで競技生活を考えるのではなく、もう少し長期目線でキャリアを考えて、今、プログラムに参加することを決断してもらえるように、スポーツ強化オフィスとしても支援していきたいと考えています。
英語力が自信につながり、ラグビー日本代表S&Cコーチに選抜される
これまでの取り組みを通して、プログリットのどういったところに最も価値を感じていただいておりますでしょうか?
古澤様:やはり、マンツーマンのコーチングを通して効率の良い学習を最大化するというコンセプトです。アスリートとの親和性が高いというお話をしましたが、それぞれ身体の作り、能力、求められることも違う中で、一人ひとりに合った適切なトレーニングをしなければアスリートは本来持っている自分の可能性は引き出せません。英語学習も同じで、自分の課題や目標に合ったトレーニングを個別最適化して実施しなければ、目標達成は遠のきます。
しかし、こういった当たり前のことに学生アスリートが気付けているかというとそうでもありません。プログリットでのコーチングを通して、単に英語力を伸ばすのではなく、自分のキャリアにおいて何を目指すのか、自分の現在地はどこで、必要なことは何かを考えるきっかけになると思っています。こういった点において、プログリットには単に英語力をつけるだけではない価値があると感じています。
ご受講いただいた学生様で、その後ご活躍されている方など印象的だったことはありますでしょうか?
古澤様:1期生の岩田くんですね。彼は、ラグビー部のS&Cコーチとして体づくりを担当する学生トレーナーだったのですが、この春卒業して、現在はラグビー日本代表のS&Cコーチとして活躍されています。
岩田くんは、3ヶ月のプログリットの受講で英語力を伸ばし、IMGアカデミーで実際に海外の方とコミュニケーションを取れたことで、自身の英語力に自信をつけました。
ラグビーU20日本代表でのS&Cコーチとしての活躍が認められたことに加えて、ラグビー日本代表ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズ氏との面談で彼なりの英語でコミュニケーションを図れたことが、日本代表チームのS&Cコーチとしての選抜に繋がったようです。
岩田くんからコメントをもらっているので、ご紹介します。
「現在、男子ラグビー日本代表でS&Cコーチとして活動しています。チームは2027年W杯で世界TOP4入りを目指しています。これは日本ラグビーが今まで到達したことのない世界で、そこに向けて、今まで誰もやらなかったスタイルで日本人特有のハードワークさを活かしながら、選手•スタッフ一丸となって日々の練習に取り組んでいます。
プログリットさんのサポートのもと3ヶ月間みっちり英語を学習したことが、自分自身の英語に対する意識が変わるきっかけとなりました。英語の学習時間が増えたことに加えて、日常生活において英語を活用することが怖くなくなり、大学内の留学生とも旅行など交流する機会が増え、人間関係を深めることができるようになりました。
また、インターンをしていたラグビーチームでも、英語圏のコーチや選手が多数いた中、英語を積極的に活用し、インプット・アウトプットの学習サイクルをしっかり回すことができました。その学習の結果、自分の意見を端的にストレートに伝える力が養われ、それが今のキャリアにつながっていると思います。
仕事で英語を使う場合、”伝われば良い”だけでなく、”伝え方”を工夫しなければいけない場面が多々あり、そこはこれからの課題として今取り組んでいます。」
立命館とプログリット、ワンチームで学生をサポートしたい
今年の12月からは、3期生が受講開始します。今後のプログリットに期待することがございましたらお伺いできますでしょうか。
古澤様:これまで2年間プロジェクトをご一緒させていただきましたが、特に2期生について、プログリットの担当者さんにはかなりコミットいただいたと思っています。毎週の定例ミーティングに加え、隔週で学生の進捗状況レポートも共有いただき、密に連携を取りながら進めていただきました。
プロジェクトの目的に対して本質的には何をすべきかを話し合い、打ち合わせの内容をコーチングに反映していただいたので、英語力を上げるだけでなく、学生の可能性を引き出すということにも尽力いただいたと思っています。
担当のコンサルタントからどういう言葉を投げかけられるかで、学生のモチベーションは大きく変わります。コンサルタントの方も含め、立命館とプログリットでワンチームとなって学生をサポートし続けられたら嬉しく思います。