アジア本部との連携を支える英語研修——ブラッコ・ジャパンが挑む、「発言できる」英語への3ヶ月
- #英語コーチング
左から:大迫様(人事総務部HRディレクター)、中本様(CMC・信頼性保証部ディレクター)
導入前の課題・背景
- アジア本部の設立やイタリア本社との連携強化により、対面の事業報告など、英語で発言する場面が急増。聞き取りだけでなく、自分の意見をその場で伝える英語力が強く求められるようになっていた。
- まずは組織の中核である部門長から、英語でのコミュニケーション力を底上げする必要があった。
- 多忙な部門長が英語学習を最後までやりきるには、独学や書籍だけでは継続が難しく、伴走してくれる仕組みが不可欠だった。
導入および継続理由
- 大量の学習を短期集中で行う「筋トレ型」のコーチングで、緩やかになりがちな英語力の伸びを一気に引き上げられると考えた。
- 進捗を毎日チェックし、学習を継続しやすい環境をつくる伴走の仕組みに価値を感じた。
- 学習習慣を3ヶ月で身につけた後、自走しながら学習を続けられる継続プログラム(シャドーイング添削コース※)があるのが良いと思った(卒業後も実際に2名とも自費で継続)。
(※シャドーイング添削コース:当社が提供する英語コーチングサービスの継続コースの一つで、リスニング力向上に効果的なシャドーイングに特化したプラン。)
導入による成果
- 受講者の平均学習時間:2.7時間/日(※1)
- 受講者の英語力の伸び:GSEスコア 平均6.5点向上(※1)(※2)
- 受講者の満足度:4.5(※1)(※3)
- 会議で自分のパートを自ら英語で伝えられるようになる、質問への切り返しが速くなるなど、アウトプット面での明確な手応え。
(※1):2026年2月~2026年5月プログリットのビジネス英会話コース3ヶ月プランを法人契約にてご受講いただいたブラッコ・ジャパン株式会社社員様の実績データ(n=2)
(※2):教育サービス会社Pearson PLCが運営する英語力診断テスト「Versant English Speaking&Listening Test」のスコア(再受験された点数を含む)
(※3)プログラム卒業時の5段階満足度アンケート調査結果より平均値を当社算出
ブラッコ・ジャパン株式会社は、1927年にイタリア・ミラノで創業したヘルスケア企業ブラッコの日本法人です。来年で創立100周年を迎え、世界100か国以上に事業を広げる、画像診断領域の世界的リーディングカンパニーです。
日本での主力は、CTスキャンやMRIの検査で使われる造影剤(医薬品)。併せて、造影剤を体内に注入するための機器(医療機器)も扱っており、医薬品と医療機器の両方を手がける点が特徴です。
近年は、独立や医療機器会社との合併といった再編を経て、2025年春にアジア本部が設立されました。これを機にイタリア本社やアジア各国との連携が一気に強まり、社内で英語を使う機会が急増していました。
今回は、そんなタイミングで部門長研修として英語コーチング「プログリット」の導入を決めた人事総務部長の大迫様と、受講者として3ヶ月間英語学習をやりきったCMC・信頼性保証部部長の中本様に、今回の取り組みの背景や成果について伺いました。
グローバル統合が突きつけた、英語で「発言できる」人材育成の必要性
まず、ブラッコ・ジャパン様の事業内容を教えてください。
大迫様:
弊社は1927年にイタリアのミラノで創立された、画像診断領域のヘルスケア企業です。来年で創立100周年を迎えます。主力製品は2つあり、一つはCTスキャンやMRIで使う造影剤という医薬品、もう一つはインジェクターと呼ばれる医療機器です。インジェクターは、心筋梗塞などで心臓の血管造影を行う際に、造影剤を正確に注入するために使われます。このような医薬品と医療機器の両方を扱う企業は、日本ではなかなか珍しいと思います。
日本法人は約100名、全世界では約4,000名の規模です。製造はイタリア本社と国内の委託先が担っており、日本法人は営業部門を中心に、人事などのバックオフィス部門も運営しています。
今回、英語研修としてプログリットを導入いただいた背景や課題を教えてください。
大迫様:
いくつか背景があります。ブラッコ・ジャパンは3年ほど前まで、ブラッコ・エーザイという会社で、ブラッコとエーザイの合弁会社でした。2023年4月にブラッコ・ジャパンとして独立し、自分たちで営業して販売しなければならなくなりました。さらに2024年7月には、医療機器を扱うアシスト・ジャパン株式会社を合併し、新生ブラッコ・ジャパンとしてスタートしています。
そして一番大きいのが、2025年春のアジア本部の設立です。上海にいる中国法人のGMがAPAC※の代表を兼務することになり、中国・韓国・日本が一体となって仕事をする機会が一気に増えました。
これまで営業やマーケティング、バックオフィスは、英語をそこまで話せなくても業務が回っていたのですが、APACの代表が2週間に1回ほど来日し、月に1、2回のビジネスレビューを行うようになりました。イタリアからもCEOや各部門長が来るようになり、英語で、しかも対面で対応しなければならない場面がどんどん増えてきたんです。
彼がよく言うのは、「英語は喋ってなんぼ」だと。聞くだけでなく、自分の意見を英語できちんと発言できることを評価します。黙ってメモを取るのではなく、自分の考えを明確に伝えることを重視する姿勢なので、インプットだけでなくアウトプットを強く求められるようになりました。そこでまずは部門長から英語を話せるようにしたいと考え、プロジェクトが始まりました。
(※APAC:アジア太平洋地域(Asia-Pacific))
事業報告は、どのくらいの頻度で行われているんですか?
大迫様:
APACの代表が月1、2回ほど来日します。日本では黙っていた方がよい場面もありますが、グローバル人材がいる場では、沈黙は美徳ではないんですよね。英語でバシッと意見を言えることが信頼構築につながる、と彼らは考えています。
中本様:
最近は頻度が上がってきていますね。上海と東京は、新幹線で東京~大阪くらいの感覚で行き来できる距離なので。APACの代表が話すことをきちんと理解して、必要な場面で正確に答えないと誤解が生まれかねない。そこは十分に注意しています。
今回対象となった部門長の方々は、研修前、英語にどのような課題を感じていらっしゃいましたか。
大迫様:
特に課題だったのは、話す力です。読み書きは皆さんある程度できていて、書いてあることは理解できる、英語のメールも時間をかければ書けるという状態でした。ただ、スピーキングの上達がなかなか難しい。相手の話を理解したうえで、自分の考えを伝え、議論を前に進める力が必要でした。
インプットも必要ですが、アウトプットを全員ができるようになってほしい。プレゼンはスクリプトを用意すれば話せますが、さらにその先の質疑応答まで対応できるレベルになってもらいたいと考えていました。
ただ、実務ができることと英語が話せることは別で、両方を兼ね備えた人材はなかなかいません。ですから、もう育てるしかない、という状況でした。
本を買って渡すだけでは学習は続かない——たどり着いた「伴走型」コーチング
研修を選定するにあたって、特に重視された点はありましたか。
大迫様:
一番は、英語学習を継続できる環境と仕組みです。ご紹介いただく前に、他の英語学習プログラムもいろいろ探しました。英会話学校に通うだけでも伸びはしますが、その伸びのカーブは緩やかだと思うんです。
ただ、我々のグローバルリーダーが求めているのはそれではなく、すぐにディスカッションに入って話してほしい、というところです。成長のカーブをグッと引き上げたいときに、英会話学校に通うだけでは正直厳しい。かといって、英語の本を渡して勉強させるだけでは、モチベーションが続かないんです。
以前、この本は英語学習にいいよ、と渡したこともありましたが、本を渡して自分でやるだけだと、チェック機能が働かないので、継続が難しいんですよね。
なので、学習を継続できる環境をつくってくださるプログリットは自分たちのニーズにちょうどぴったりでした。
なるほど。英語を教えない「英語コーチング」というものに不安はなかったですか?
大迫様:
正直、最初にコーチングと伺ったときは、本当に英語が上達するのか、と少し懐疑的でした。ただ、実際に話を伺うと、自分でやるためのきっかけをつくってくれるサービスだと分かりました。
結局、中本も現在でも学習を続けられているので、プログリットが自主学習サイクルの最初の一歩目をサポートしてくれた、という意味では、従来型の英語研修よりも効果的だったと思っています。
多忙な部門長でもやりきれる、という点を重視されたんですね。
大迫様:
そうですね。短期間で最大限の成果を出すには、私は短期集中型のトレーニングがよいと思います。通常の英会話学校に通うよりも、はるかに成果が出ました。中本はCEFRレベル※でA1からA2まで上がっていますが、この3ヶ月で一つ上がるのは、なかなかすごいことです。
(※CEFR:ヨーロッパ言語共通参照枠。外国語の学習・教授・評価のための国際的な語学力指標でA1からC2までの6段階で評価される)
1日の学習時間をどう捻出したか——多忙な部門長がやりきるまで
1日2、3時間という学習時間を、どのように捻出されたのでしょうか。
中本様:
最初の1、2週間は、仕事が終わってから英語学習をしていました。その方が伸びるかなと思ったのですが、気づけば夜11時、12時。1週間やってみても、頭に入ってこないんです。
それなら、朝に単語学習を、準備をしながらでもやる。そうやって出社までに1時間弱を確保しました。昼も、皆さんと食事に行くと雑談で終わってしまうので、それをお断りして一人で喫茶店へ行き、30〜40分は単語などをやる。家に帰るまでに、3時間のうち1時間半は終わらせておく計画でやっていました。帰ってから1時間半であれば、何とかなります。
平日の学習時間が足りなければ土曜日に多めに入れて、5時間ほどやることもありました。1週間の学習量が少ないとどうしてもダメなので、土日にできる限り学習できるよう頑張りました。
大迫様:
中本は本当に真面目に取り組んでいて、これは理想の生徒像だと思っています。お酒を飲む時間も減らして、飲み会も二次会なしにしたりして、ちゃんとやりきった。1日3時間やりましょう、と担当コンサルタントに言われたと聞いた時は、どうやって時間を捻出するのかと、非常に驚きました。
中本様:
飲み会に行くために、英語学習を頑張っていました(笑)。
学習量や課題の内容はいかがでしたか?
単語も毎日300~600語ほど、瞬間英作文(※)も200例文以上を毎日やらなければなりません。WPM(※)は100が出て自分では結構速かったと思ったんですが、もっといけるはずです。もう少し目標を高めに置いてやってみましょうと担当コンサルタントに励まされました。負荷をかけ続けるのはきついのですが、それがかえって良かったと思います。
もう一人の受講者とは、受講中もよく、今日は学習ができた、できなかった、と話していました。2人で毎日の学習時間を共有し合い、お互いに完走を目指しました。
(※瞬間英作文:スピーキング力向上のためのトレーニング)
(※Words Per Minuteの略で、1分間あたりに処理できる単語数のこと)
週に1回の面談は、どうでしたか。
中本様:
面談の中で実施するテストは、自分の1週間の学習の成果がそのまま表れるので、テストだけは意地でも合格したいと思っていました。面談の日は朝早く来てもう一度リピートしたり、昼休みも練習してエンジンをかけてから臨みました。
合格しないと次の課題に進めず、また同じ内容をやり直すと、次の1週間を無駄にしてしまう。機会損失につながるので、節目節目できちんと締めて、合格できるよう努力していました。
独学だと、すぐにモチベーションが下がって元に戻ってしまいますが、今回は担当コンサルタントの言うことを信じ、その通りに取り組みました。何事にも基本形があると思うので、それを大切にしながら3ヶ月やりきった感じですね。
3ヶ月の中で、取り組む姿勢が変わった転機のような瞬間はありましたか。
中本様:
忙しい中でしたが、自分でやると決めたので、言い訳なしだ、やるしかないと思っていました。当時は子供が受験生で、朝から晩まで勉強していましたが、私も子供に言い訳を許していないので、それなら親の自分も、と思ってやっていましたね。
あとは、学習が終わったら飲みに行こう、と楽しみを置いておく。そのために時間を捻出すると、どんどん効率化できるんです。
続けられた背景には、どのような工夫があったのでしょうか。
中本様:
忙しい中でしたが、自分でやると決めたので、言い訳なしだ、やるしかないと思っていました。当時は子供が受験生で、朝から晩まで勉強していましたが、私も子供に言い訳を許していないので、それなら親の自分も、と思ってやっていましたね。
あとは、学習が終わったら飲みに行こう、と楽しみを置いておく。そのために時間を捻出すると、どんどん効率化できるんです。
大迫様:
楽しみを置いておくのは、習慣化においても大事な要素ですよね。
私自身も英語には本当に苦労したので、大変さがよく分かるんです。たいていはブレイクスルーする手前でやめてしまう。A1、A2からBに行くのが大変なんです。だからこそ、そこまでモチベーションをキープするのが難しい。プログリットはそこをコーチングという形で、チェックしてチェックして、何とかやりきれるようにしてくださる。それは大きいですね。
担当コンサルタントのサポートは、いかがでしたか。
中本様:
とても元気な方で、フォローアップが非常にしっかりしていました。1日の進捗もシャドーイングもちゃんとチェックしてくださって、LINEも細かく届く(笑)。モチベーションを上げるようアドバイスしていただけたのが良かったです。それに、担当コンサルタントの言う通りにやっていると、ちゃんと徐々に力もついてくるんです。
たまにはプライベートの話をしたりもして、二人三脚でできたのが良かったと思います。
聞けて、返せる——APAC代表が実感したアウトプットの手応え
3ヶ月を終えて、業務のうえでどのような変化がありましたか。
中本様:
以前と比べると、最近ではAPACの代表が来日した際のミーティングでも、切り返しが早くなったと思います。まずは相手の話を正確に理解しないといけないのですが、そこも聞こえるようになってきている感じですね。
電話会議でも、自分の担当パートは自分で伝えるようにしています。以前はインターネットの翻訳機能などでかなり準備しておかないと話せませんでしたが、瞬間英作文のトレーニングの影響か、頭の中で整理して話せるようになってきました。仕事柄、専門的な単語自体は分かるので、それを文章の中に組み込んでいく、という感覚です。
大迫様:
APACの代表も、「中本は私の言っていることを理解している」と言っていました。英語学習を始める前よりもちゃんと聞けている、と褒めてくれましたね。
以前との違いを、相手にも感じてもらえたのだと思います。努力をちゃんと認めて褒めてくれる人なので、直接フィードバックをもらえるのは嬉しいですね。
今回の研修による、ビジネスレビューでのコミュニケーション力の変化について、大迫様の観点から、どのように評価されていますか。
大迫様:
率直に、嬉しいですよね。上司にあたるAPACの代表から直接、実際にコミュニケーションが円滑にできるようになっている、よく聞けているし、話せるようになっている、と言われるのは、とても嬉しいことです。
研修をやって、ちゃんと効果が出るというのはなかなか難しいので、成果が出るところに投資できたのが大きいと思います。もちろん安くはありませんが、その分の効果はあったと感じています。
研修を終えて、社内に変化はありましたか。
大迫様:
APACの代表であるヴァルテロ・カネパは、ブラッコでのキャリアが35年を超えていて、イタリア本社のありとあらゆる人を知っています。彼と信頼関係を築くことで、必要な場面で私たちの考えを伝えてもらえる。
彼は、喋って関係性を築くことをすごく重視していて、お昼や夜にいろいろなメンバーをご飯に連れて行くので、そういう時に、きちんと英語で会話して、彼に分かってもらっているということが、仕事を進めるうえで大きな意味があるんです。
中本様:
この間、APACの代表とランチに行きました。最初はお互いあまり喋らなかったのですが、仕事を離れて雑談するうちに打ち解けて。そのあと、珍しい日本のお土産を渡したら、最後は、とても喜んでくれて、距離が縮まったと感じました。
大迫様:
やはり、話し相手がエグゼクティブになると、本人もやる気が出ます。AIでコミュニケーション自体は取れますが、人と人との関係は違う。話せれば世界が広がるし、自分の価値も高まる。適度なビジネスの緊張感が、次はもっと良くしようという気持ちにつながるのだと思います。
「部長だけが英語を話す会社」で終わらせない。マネージャー層へ広げる次の一手
大迫様は、英語をキャリアの観点からどう捉えていらっしゃいますか。
大迫様:
私はよくメンバーに、「掛け算を意識してください」と伝えています。自分の専門性に英語を掛ける。私であれば人事 × 英語。人事だけできる人、英語だけできる人はたくさんいても、掛け算すると希少価値が高まり、オンリーワンになれるかもしれない。英語を話せれば、キャリアの選択肢も広がるので、掛け算は重要ですよね。
英語学習を本気で「自分に必要なこと」だと感じてもらうことについて、受講された中本様はどうお考えですか。
中本様:
実際に英語を使う局面に立つことが必要だと思います。APACのメンバーや代表が来ても、直接話すチャンスがないと緊張感がない。そのシチュエーションに立つと、その場で答える必要が生まれるので、雰囲気も分かってきますよね。ただ、その緊張感がマネージャークラスだと薄れてしまうので、伝えきれないのが悩みでもあります。
プログリットのアンバサダーでもある本田圭佑さんは、グローバルでも活躍して、投資もされていて、英語が不可欠なのだと思います。もともと優秀な方が毎日2時間くらいやっていると伺いました。私もシャドーイング添削コースを現在も継続していますが、グローバルで活躍される方があれだけやっているのだから、自分の学習時間ではまだまだ足りない、と感じています。ですので私も9月からは、オンライン英会話も本格的に取り入れようと考えています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
大迫様:
グローバル人材を育成するために、今回はまず部長から始めましたが、次は後継者を育てなければなりません。部長だけが英語を喋って海外と交流するのは、会社としてもったいない。シニアマネージャーやマネージャークラスでも、きちんと英語でアジアやイタリア本社と会話できるようにしたいです。
部長は少なくとも全員A2レベルまで、できればB1まで持っていきたい。シニアマネージャークラスがA2まで喋れると、日々の業務も部長がすべて引き受けなくてよくなるので、会社として強い組織になります。組織で結果を出さなければならないので、英語が起点となって、結局は組織力・チーム力が高まる。それが必要だと思っています。
外資では、エグゼクティブにプレゼンすること自体が自分の評価につながります。単に英語ということではなく、自分が取り組んできたことを示す場でもある。それを部下にも任せられれば、部下の成長にもなり、本人のキャリアにもつながる。
語学は、最終的には本人の継続的な取り組みが重要です。ただ、プログリットさんがきっかけで、我々は間違いなく世界が広がりましたので、非常に感謝しています。