パナソニックの海外協業を加速する英語研修——英語学習に近道はない、本気の学習が生む"話せる自信"
- #英語コーチング
パナソニック株式会社チーフトランスフォーメーションオフィサー(2025年12月現在) 郷原 邦男様
導入前の課題・背景
- 北米のITプラットフォーマーや、インド・東南アジアのスタートアップとのCVC投資や事業開発の機会が急増。それに伴い、実践的な英語力の強化が、グローバル事業をさらに拡大するため急務となっていた。
- 組織全体の対応力を高めるために、リスニングとスピーキング両面の底上げが必要だった。
- 多忙なメンバーが英語学習を最後までやり切るためには、自己管理だけでなく、伴走してくれる人の存在が必要だった。
導入および継続理由
- 導入ご担当者の郷原様ご自身が自費で英語コーチングを2回受講し、メソッドの有効性を実感されており、メンバーにも自信を持って勧められる、という確信があった。
- 第二言語習得のロジックとコンサルタントの伴走により、多忙でも3ヶ月やり切れると実感できた。
導入による成果(コーチング)
- 受講者の平均学習時間:2.6時間/日。(※1)
- 受講者の英語力の伸び:GSEスコア 平均4.5点向上。(※1)(※2)
- 受講者の満足度:5.0。(※1)(※3)
- (※1):2025年9月~2026年1月プログリットのビジネス英会話コース3ヶ月プランを法人契約にてご受講いただいたパナソニック株式会社、社員様の実績データ(n=4)
(※2):教育サービス会社Pearson PLCが運営する英語力診断テスト「Versant English Speaking&Listening Test」のスコア
(※3)プログラム卒業時の5段階満足度アンケート調査結果より平均値を当社算出
パナソニック株式会社(※)は、家電・空調・照明などのコンシューマ製品から、設備機器などのB2B事業までを展開し、「くらし」と「社会」の課題解決を目指す総合エレクトロニクス企業です。
近年は「くらし」と「社会」の激しい変化への対応のため、ITプラットフォーマーや国内外のスタートアップとの協業・投資を加速させています。グローバル化の加速とともにより多くの人材の語学力向上が必要となりました。
今回インタビューさせていただいたのは、チーフトランスフォーメーションオフィサー(CTRO)として、ITプラットフォーマーやグローバルスタートアップとのアライアンス推進を担った郷原様です。
2023年に個人で初めてプログリットを受講し、その効果を実感したことをきっかけに、2025年には組織への法人導入を決断。4名のメンバーが3ヶ月間英語コーチングを受講されました。今回は、取り組みの背景や、受講後に生まれた変化についてお話を伺いました。
(※)本記事に記載の組織名、事業内容および役職は、2025年12月時点の情報に基づいています。なお、パナソニック株式会社は2026年4月のパナソニックグループの新たなグループ体制への移行に伴い、現在は主に家電を中心としたくらし事業を展開しています。
グローバルスタートアップとの協業。事業変革の最前線で直面した英語力の壁
弊社の英語学習プログラムを導入検討いただいていた当時の役職と役割、また英語強化が必要になった背景を教えてください。
郷原様:
当時はパナソニック株式会社のチーフトランスフォーメーションオフィサーとして、事業領域の変革をリードする役割を担っていました。社内には複数の事業部や社内分社がある中で、世の中の変化が激しい今、「いかに新しい変化の領域に事業をついていかせるかをリードする」、というのが私のミッションで、取り組みは大きく2つの柱がありました。
一つは北米を中心としたITプラットフォーマー・AIプラットフォーマーとの連携です。変化の速い彼らの展開についていくため、最新トレンドを常に追いかけながら戦略を組み立てていく役割です。
もう一つはグローバルスタートアップとの協業・投資です。私の部門では、CVCファンド(コーポレートベンチャーキャピタル)を運用しており、出資の検討から協業交渉まで、多様な接点でグローバルのスタートアップと向き合ってきました。最初は日本のスタートアップを対象にしていましたが、次第にインド、東南アジアへと対象が広がっていきました。
実際に英語力の課題が顕在化したのはどのような場面でしたか?
郷原様:
スタートアップは世界に何十万社もあり、こちらから探しに行かないといけません。そのため、展示会やネットワーキングパーティー、オンライン会議と、英語でのコミュニケーション場面がどんどん増えていきました。そういう場では相手のビジョンや課題をその場で引き出し、パナソニックとの接点を見つけていく力が必要で、聞き取り・伝達の両面でより実践的な英語力が求められていました。
ITプラットフォーマーと協業、投資の交渉をする担当チームは英語ができるメンバーを初めから当てていましたが、スタートアップと向き合うメンバーはそうではない。英語が流暢に話せるメンバーだけでは業務の幅が広がらないと感じ、組織全体として一段レベルを上げていく必要があると判断しました。
個人の受講体験が組織展開の決め手に
郷原様ご自身のプログリットとの出会いと、プログラムを受けた経緯を教えてください。
郷原様:
1999年から22年間、週1回の英会話教室に通い続けてきましたが、TOEICのスコアは伸び悩み、英語力を落とさない程度に維持しているだけの状態が長く続いていました。英語への興味はあったし、定期的に触れ合う機会は作ってきた。でも週1回話したからって、正直、英語が伸びるものでもない。
そんな中で転機が訪れたのは2021年のシリコンバレー長期滞在です。現地のメンバーとの会議に参加する中で、リスニング力の限界を痛感しました。日本人向けに優しく話してくれても、わからないことがたくさんある。これはもう一段ギアを上げないといけないと感じて、帰国後半年ほど経った頃に出会ったのが『シャドテン』(※プログリットが提供する、リスニング力向上に特化した英語学習アプリ)でした。
2022年から『シャドテン』を始めて約1年間継続しました。自分で発音できない音を粘り強く録音を繰り返す日々でしたが、それでも面白かった。週1回の英語会議でたまに聞き取れる瞬間があって、その小さな達成感が続けるモチベーションになっていました。
全部聞けるわけじゃないけど、聞ける音がひとつ、またひとつと増えていくのを実感して、気づけば累計で数百回以上、ほぼ休みなく継続していました。
『シャドテン』を1年間継続された後に、英語コーチングサービス『プログリット』を受講されていますよね。
郷原様:
『シャドテン』を約1年続けた2023年に、もう一段ギアを上げようと思い英語コーチングも自費で受講しました。卒業後は、シャドーイング添削コース(※)で継続した後、翌2024年に2回目のコーチングコースを受講しました。レベルも上がっていたのでもう一度しっかりやろうと思ったんです。
受講期間中は苦しい思いもしましたが、2回目の受講でメソッドの効果を実感することができましたね。
(※ 英語コーチング卒業生向けの継続コース。リスニング力向上に有効なシャドーイングに特化したトレーニングを実施し、添削が受けられる。)
英語学習に近道はない、本質的な学習を支える伴走力と学習ロジック
他社サービスと比較した上でプログリットを選んだ決め手は何でしたか?
郷原様:
一番の決め手はコンサルタントの伴走力です。コスパ・タイパと言われますが、英語にそういうものはないと思っています。
特にタイパは都合よく短い時間で英語力が上がるということですが、なかなかそうはなりません。かなり苦しい努力をして時間をかけないと英語力は身につかないですが、それをどうやってやりきるのか。一度苦しい努力をやりきると、その投資した時間を捨てるのが惜しくなりますよね。だから卒業後の継続にもつながると思うんです。プログリットは3ヶ月やりきれる仕組みを持っていて、特に英語の基礎力がついていない人ほど効果があると思って導入しました。
また、第二言語習得のロジックに基づく弱点分析と、英会話の5ステップを軸にした個人向け英語学習メニューも大きな理由でした。なぜこのトレーニングが効くのかをロジカルに説明してもらえるので、受講者側も納得して取り組めます。英語力は1週間やったからといって急に上手くなるわけじゃないと思います。不安がある中で1日2〜3時間の苦しい学習を続けていくには、ロジックという根拠が必要だと考えています。
ある程度のレベルまでいうところまで行くとなると、英語学習も2年ぐらいしっかり根気よくやらないといけないので、その初めの3ヶ月型を作るという意味ではプログリットは最適だと個人の学習を通じても感じていました。
昨今はAIを使った語学学習アプリなども普及していますが、あえて「人が介在する」サービスに価値を感じられたのには、何か理由がありますでしょうか?
郷原様:
実は以前、AI英会話も試したのですが、続きませんでした。AI相手だと適当に話してもそれなりに返してくれてしまうため、どうしても気持ちが入らなかったんです。
やはりサービスの中に「人」が介在していると、良い意味での緊張感が生まれます。英会話であれば、相手の人間になんとか理解してもらうためにはどう表現すればよいか、という気持ちが働きますよね。
プログリットのコーチングは毎朝進捗チェックの連絡が来て、朝やると言っていてやっていなかったら、今朝は英語学習をやれていませんね、と指摘されます。AIに同じことをされてもスルーできますが、人からの指摘だと後ろめたさが残る。こういった過程の繰り返しで信頼関係が生まれると思っています。
週1回の面談もその緊張感の源です。単語を覚えたり、口頭英作文がスムーズにできるようになったり、面談までに1週間の成果をきちんとこなしていかないといけないので、その1週間の英語学習に集中して取り組めます。
テーマや課題だけ与えられて面談がなければ、今週は忙しかったから来週でいいかと思って学習しなくなると思いますので、このプログラムの仕組みが継続の核心だと思っています。
「1日2時間の学習」完走が育てた”話せる自信”
法人導入にあたって、受講者の選考はどのように行われたのでしょうか?
郷原様:
まず約40名に意向確認をしたところ約30名が手を挙げたんですが、会社のお金で勉強できるからやろうかなという軽い気持ちの人もいるはずだと思ったので、そこで終わりにしませんでした。
私から「プログリットのプログラムがいかにハードか」を具体的に記した20行ほどのメッセージを送り改めて意思確認を行い、その上で、インド担当・東南アジア担当・アメリカ担当として急ぎで英語力が必要なメンバーも加えて最終選考したんです。
選ばれたメンバーには、1日2時間以上必ずやること、業務として取り組むこと、量がないと伸びないことを忘れないこと、進捗は私もチェックする、というルールを設けました。
学習の継続に関しては、パナソニックに入っている人は受験勉強などで学習慣れしている人が多いので、課題の量にはへこたれない。1週間で100個の単語を覚えてこいと言われても頑張るぞという感じで学習に入っていきました。大変だったのは多忙な業務との調整の方だったと思います。
受講後、メンバーにどのような変化が見られましたか?
郷原様:
一番印象的な変化は発言の積極性が上がったことです。以前は自信がなく消極的だったメンバーが、積極的にトライしようという姿勢になった。口頭英作文や独り言英会話(※スピーキング力向上のトレーニング)を通じて、この場面ではこう言えばいい、という基本パターンが身についてきていたんでしょう。
ちょうど文章が作れるかどうか、というギリギリのレベルの人たちは、明らかに文法的に伝わる英語を話すようになっています。ある程度基本パターンで使い回しながら伝えている感じで、傍から見ていてもわかる変化があります。
VERSANTのスコアもCEFR B1からB1⁺(※)といった伸びにくい領域で点数も上がりました。そこまで引き上げることができたのは、1日2時間以上という学習量を確保してやりきったことが大きいと思います。
コーチングコースを修了してからも、シャド-イング添削コースを続けてくれました。
(※CEFR:ヨーロッパ言語共通参照枠。外国語の学習・教授・評価のための国際的な語学力指標でA1からC2までの6段階で評価される)
AIが進化しても英語を学ぶ理由。AIツールと英語力は代替関係ではない
翻訳AIが進化する中で、今、あえて英語を学ぶ意義をどうお考えですか?
郷原様:
AIはどんどん進化していて、もうすぐオンライン会議では日本語で話したら英語で伝わる時代が来るかもしれません。オンライン会議ならそれでいいかもしれない。でも実際に人と会う局面、展示会やネットワーキングパーティーは違います。騒音の中でAIでは正確に相手の話している音を拾えないので、実際に会う場では英語力そのものが必要です。
さらに英語と日本語の文法構造の根本的な違いも大きいと思います。日本語は動詞が最後、英語は主語・動詞が先。この構造差は翻訳に遅れが生じます。英語から来る時は主語・動詞が先に出るから一瞬翻訳が出るが、文章を成立させるためには一文聞き取らないと正確に翻訳できません。
会議中は致命的で、翻訳が終わって話し始めようとした時には、会話はもう次のテーマに移っているので質問できなくなってしまいます。英語に似た他の言語なら語順が近いので対で翻訳が出ていけばいいが、日本語はそうはいかない。この問題はAIがどんなに賢くなっても文法構造の違いという本質的な課題として残ります。ですので、AIに頼らず、人が英語を話せるようになるしかないのです。
AIツールと英語力は代替関係ではなく、英語力があった上でAIを補助的に使う、それが正しい組み合わせだと実感しています。
「続けられる仕組み」こそが英語学習の本質
組織として目指す英語力の目標を教えてください。
郷原様:
組織としてまず目指したいのは、インドや東南アジアなどアジア圏で英語を第二言語として話す人たちと対等に話せるレベルです。
事業の注力領域はアジアで、ほとんどの国が英語を第二言語として使っています。彼らの英語は比較的聞き取りやすく、使う単語もわかりやすい。まずはアジア圏の英語話者と対等に話せるレベル、CEFRのB2を全員に目指してほしいです。
その上でネイティブに対しても自分の言いたいことを正しい文法で伝えられるレベルである、C1レベルを目指してもらいたいと思っています。事業変革に必要なパートナーを探すには、相手の意図を正確に理解して、パナソニックに興味を持ってもらえるよう伝えられることが不可欠。そこができるかどうかが大切です。
最後に、プログリットへの期待やメッセージをお聞かせください。
郷原様:
既にプログリットさんで取り組まれていると思いますが、英語学習をする全ての人たちがストイックな人ばかりではないので、シャドテンやディアトークのようなアプリなど、入りやすい仕掛けをもっと広げていただきたいです。
ただ、入り口を広くするだけでなく、そこから本当に伸ばしたい人をうまく拾ってこられる仕組みが大切だと思っています。プログリットが提唱するフレームワークである、英会話の5ステップなど第二言語習得のロジックは腹落ちするものですから、そこに誰でも入っていけるようになれば、日本全体の英語力向上につながるのでは、と期待しています。